例えば誌面の見開きページのレイアウト。写真のトリミングをどうしようか。書体は何にして、文字の大きさはどれくらいか。どこに配置しようか。ピタッとはまると風通しが良くなって、誌面が生き生きしはじめる。
いつもながら、この作業は楽しい。どんどん乗ってくる。なんだかお料理と似ているのです。
ここにみかんがある。このまま食べてもいいけど、たくさんあるからいろんな食べ方をしたいなぁ。砂糖をまぶして発酵させてみようか。シナモンと生姜をちょっと忍ばせて。これを、小麦粉生地に混ぜて焼き上げる。複雑な深みのあるオレンジの香りの、大人っぽいパウンドケーキの出来上がり。
仕上がりのイメージを想定する。そこに向かうために、素材たちにどう働いてもらおうか。一つ一つの特性が輝きながら、お互いを引き立て、新しく豊かなものが生まれる。この状態を「調和」というのかなぁ。
写真は、料理に使って少し余ったレモンのスライスを、みじん切りにして混ぜ込み焼き上げたパンに、クリームチーズと蜂蜜、その上に黒胡椒をガリっと挽いた。今日の昼ごはん。